【6】自宅マンションが売れたのは...
数日後かかってきた電話
↑前回の話はこちら
自宅マンションを売り出した氷河期夫婦。
・間取り悪し
・人気なしエリア
・不動産低調シーズン
3拍子揃った悪条件だった。
契約の3日後に、REINS(レインズ=不動産流通機構のネットワークシステム)に登録完了した。
「とりあえず家の中のモノ捨てて引越し先を考えようか...?」
ところが氷河期夫婦に担当営業から電話があったのは、わずか翌々日のことだった。
「えっ?でもまだSUMO には物件掲載されてないですよね?」
レインズ情報だけで内覧もしないで購入したいのだという。
ただし、価格交渉はあった。
でも当初から多めに価格を「上乗せ」していたので「想定内」だった。
氷河期夫婦には不動産の知見はない。
「不思議な縁」のある担当営業は非常に有能な人物だったのだ。
物件を即決した購入者は?
購入者は近隣県のファミリー経営の不動産業者だった。
当時の事情は次のようなものだった。
・その不動産業者は投資意欲が旺盛でローンを組みたがっていた。
・季節柄個人の売買は低調だったが、当時中古物件をリフォーム再販する業者の買付が盛んだった。
・特にある新興の「再販業者」が意欲的に(キャッシュで)購入しており一時的に「需要>供給」だった。
・人気エリアは競争が激化していたので、郊外までもが買付対象になっていた。
・投資目的なので、間取り(小さめ)はあまり問題ではなかった。
「再販業者」の正体は?
購入者が「焦って」買いに走った原因は、業者間の「物件」争いだったらしい。
有能な担当営業はそうした現場の動きを把握していた。
だからこそ「上乗せ価格」で販売することを提案してくれたのだ。
しかし、氷河期夫婦にとってはまたしても「不思議な縁」があった。
それは当時の市場で、物件価格上昇の一因を作っていた「再販業者」のことだ。
実は、追突事故に遭ったのは、この「再販業者」の「関連企業」が運営していたある施設に行く途中だったのだ。
しかもそれだけではない。
氷河期夫婦が当時悩んでいたのが、この施設での人間関係だった。(宗教とかマルチとかではない。)
運命のいたずらか?
それとも単なる偶然の一致か?
答えはわからない。
でも氷河期夫婦の「運気好転」が起きた遠因は、この「人間関係トラブル」と「追突事故」だったのは確かだ。
【第6話まとめ】
わずか数日で「内覧」なしで高値即売した自宅マンション。その背後にはまたしても「不思議な因縁」があった。