【7】「臨時収入」が止まらない
「臨時収入」とは何か?
↑前回の話はこちら
氷河期夫婦にとって「臨時収入」というワードは長年の謎だった。
巷でよく見かける言葉だとは思っていた。
しかしその実態は謎に包まれていた。
たいてい「臨時収入」と書いてあるだけで、具体的な内容は伏せられているからだ。
でももしそれが「親族からの送金」とか「宝くじが当たった」などだったら
「へえそうなんだ...」
と思うだけだろう。
なぜなら「サプライズ」がないからだ。
勿論どんな「臨時収入」も収入には変わりない。
でも暗黒の氷河期世代にとって「臨時収入」というミステリアスな響きは、ほとんど
「未知との未遭遇」
だった。
バブル世代以上は臨時収入など珍しくもなかっただろうと想像している。
そんな氷河期夫婦が初めて
「これが臨時収入というものか!?」
と感じる出来事が起き始めたのは、自宅売却が速攻で決まった頃からだった。
人生いろいろ「臨時収入」いろいろ
氷河期夫の方は追突事故による怪我はなかったが、氷河期妻はしばらく通院していた。
大型トラックからの追突だからノーダメージではなかった。
でも不幸中の幸いで、大した後遺症もなく早期に治癒した。
もうひとつの不幸中の幸いは、保険の契約者が氷河期妻であったと同時に、その日はたまたま「運転者」ではなく「同乗者」だったことだ。
これによって「同乗者」だった時に支払われる10万円が追加された。
そしてこの「同乗者特約」制度は、支払いの直後に「廃止」された。
これを皮切りに「臨時収入ラッシュ」が訪れるようになった。
まさに今週のお題「人生変わった瞬間」だった。
自宅が高値で売却できただけでも幸運だったが、続いて不動産仲介会社のキャンペーンによるキャッシュバック(5万円)があった。
ブラックフリーランスだった氷河期妻には、ブラッククライアントとは関係のない所から臨時の発注があり、過去最高の「売上」が立った。
その他にも行く先々で「QUO カード」というものを貰っていた。
それまでにそんなことはなかったのでひたすら不思議だった。
こうして次々と「臨時収入」が訪れるようになった氷河期夫婦だったが、運気好転のすさまじさはこの程度では終わらなかった。
この頃から氷河期妻の脳裏には「七福神」のイメージが浮かぶようになっていた。
【第7話まとめ】
「ツキに見放された」氷河期夫婦の人生に初めて起きた「臨時収入」ラッシュ。それはその後の更なる運気好転の序章に過ぎなかった...