【11】「男上司」→「男部下」セクハラの実態
バイセクシャルセクハラ上司の魂胆
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近年ではパワハラ・セクハラの問題は、世間の注目を集めつつある。
そしてようやく異性間だけではなく、同性間でもセクハラがあることが知られるようになってきた。
ブラック企業に正社員として勤務していた氷河期夫が、男性上司からのセクハラ被害に遭っていたのは10年ほど前の話だ。
被害者は「多数」で、主に若手男性社員だった。
2人きりになるチャンスを画策しては、
「股間に手を伸ばしてくる」
鬼畜上司は、バイセクシャルだった。
氷河期夫がこのブラック企業を退職する数年前に「女性」と結婚し子供が生まれた。
この頃からセクハラ行為は止まった。
「女性」で満足したからというわけではない。
保身から社内における「将来」のリスクを排除したかったからだ。
男も女も「飲み会」がきっかけ
鬼畜上司はバブル世代ではないのだが、行動パターンは見事に「遅れてきたバブル世代」だった。
ゴルフ、ワイン、チーズ、そして乗馬
といっても単なるアル中で、昼間から酒臭く、太って薄毛で糖尿病持ちだった。
セクハラ行為に及ぶには男女問わず「2人きり」のシチュエーションが必要だ。
そのための最初のきっかけは「いっしょに酒を飲む」が多い。
Z世代には信じられないかもしれないが、平成の時代でも上司から「酒」に誘われて断り続けるのはカンタンではなかった。
被害現場は酒からのサウナ
鬼畜上司からのセクハラ被害者は酒からたいがい「サウナ」に誘われた。
終電を逃した後「サウナ」に行くというプランだったのだ。
そして相手が寝落ちした瞬間を狙うのだ。
セクハラ上司に「股間を触られた」という被害情報は、社内でヒソヒソと広がっていった。
氷河期夫がこの被害を止めたのは、ある時セクハラ上司が伸ばしてきた手を掴み、手首をひねり上げたからだった。
男が男からのわいせつ行為を止めるには、相手よりも強い「腕力」が必要だ。
氷河期夫はこの頃からジムに通い始め、定期的なスポーツを始めた。
ブラック企業を生き延びるために「マッチョゾンビ」になったのだ。
氷河期夫が「ゾンビ」になれたのは努力じゃない。
でも氷河期世代は、社会に出てから延々と上の世代から「努力不足」と罵られてきた。
この「いじめ」は消え去ることはない。
【第11話まとめ】
若手男性社員の股間を狙うバイセクシャルセクハラ上司。酒に誘い、酔った悪ふざけのふりをして着実に手を伸ばしてくるのも計画のうちだった。