氷河期夫婦の逆転人生 ?! Blog

もらい事故がきっかけで運気好転しました

【19】「捨てれば運気好転する」は本当か?

「捨てハイ」到来

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追突事故の後、怒りを転換してマンションを売却することになってから、氷河期夫婦はガンガンモノを捨て始めた。

といっても、氷河期夫は相変わらずゾンビ社員としてブラック企業に淡々と勤務していた。

だから、捨て活の担い手は実際には、在宅フリーランスの氷河期妻の担当だった。

ゴミ袋に入れて捨てることができるモノは、手間がかかるだけで大したことはない。

自分史上最大規模の捨て活をしながら、氷河期妻は「捨てることが困難なモノが存在する」ということに気づいた。

 

捨てるのが難しい3つのモノ

①大きい、重いなどの物理的問題

氷河期妻は小さなマンションの中にかなり多くの家具を持っていた。

ほとんど使っていなかった4畳半の部屋もさまざまな家具で「要塞化」していた。

中でも書棚と椅子が多かった。

ほとんど来客もない2人暮らしなのに、家じゅうの椅子は9脚もあった。

 

自治体がゴミとして引き取ってくれない

なぜか数個あった「レンガ」は、どこにも排出することができなかった。

たまたま田舎でガーデニングをやっている人が見つかったので引き取ってもらえた。

他にも中途半端な量の「砂」や「石」などは、自治体はおろか処分業者でも引き取り不可と言われる。

 

③親からもらったいらないモノ

「これはいいモノだから」といって、自分の不用品を子に押し付ける親は少なくないだろう。

氷河期妻も母親から趣味に合わない輸入食器やアクセサリーをもらって困っていた。

しかし、こういう親は不用品を子にあげたらそれっきり忘れてしまうというわけでもない。

時折思い出して「あの時あげたアレはどうなった?」などど言い出す。

ついに意を決して、狭小住宅への引越しを理由に、実家に送り返した。

 

モノを捨てて過去の「怨念」も手放す

氷河期妻はとにかく捨てまくった。

ゴミに出し、メルカリに出し、リサイクルショップに売った。

そうして持ち物の8割以上を手放した。

そうしているうちに、心がどんどん晴れやかになっていった。

氷河期世代として、それまでに味わった悔しさもどんどん捨てていった。

「モノ」には持ち主の思念がこもっているのかもしれない。

モノを捨てて、狭小の賃貸物件に引っ越した後も捨て活は続いた。

毎月モノを処分して得る金額は、フリーランスの月収近くになっていた。

 

【第19話まとめ】

運気好転し続ける氷河期夫婦。その変転の中、氷河期妻はひたすらモノを処分して現金化していった。

【18】「運」とはタイミング

「努力」より「運」と確信したこと

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氷河期夫婦が運の悪い人生から脱するきっかけになったのは、追突事故に遭ったせいだった。

その後のすべての出来事は、それを起点にして始まった。

追突事故に遭った時、氷河期夫婦が愛車に乗って向かっていた行先は、その後自宅マンションが高値で売れるきっかけになった某不動産会社の「関連企業」だった...

物事というのは、実は目には見えない因果関係で結びついているかもしれない。

そう考えるようになったのは、その後も続くラッキーな現象が絶妙なタイミングで起きていることに気づいた頃からだった。

 

自宅買い替えの時期

自宅売却からの引越し、そして氷河期夫の転職。

急遽決まった引越しだったので、否応なしに賃貸物件に決めた。

賃貸契約は2年だ。

すると最初の更新時までに氷河期夫は転職先で1年半以上の勤務することになる。

転職後すぐにローンの審査を通過するのは難しい。

しかし1年以上経過すると大丈夫なことが多い。

だから、賃貸契約の更新前までに「仮住まい」しながら新居を探すというスケジュールが自ずと決まった。

2年後というのは2020年夏だった。

 

「運」とはタイミング

氷河期世代は子供のころから「勉強しろ、いい大学にいけ」ということを至上命令として育った人が多い。

でも実際に学校を卒業して社会に出てみたら、バブル崩壊というやらかしのツケを払わされる「運の悪い世代」だった。

運の悪さは、次の運の悪さを呼び、それが延々と続く無限ループだ。

そんな悪運とは裏腹に、「運の良い世代」というのもある。

何となく運よくいい企業に正社員として入って、そこから始まる幸運のループだ。

氷河期世代は上の世代からひたすら「努力不足」という怒号を浴び、運が悪いのも「自己責任」だと思わされてきた。

でもそれはウソだと思っている。

なぜなら氷河期夫婦が現実に「運がよくなった」のは、ある日追突事故によって「悪運ループ」の回路から脱落し、たまたま「別の回路」にはじき出されたからだ。

何の努力でもない。

単に「運」であり「タイミング」だった。

 

【第18話まとめ】

氷河期世代はさんざん「努力不足」だの「自己責任」だのと罵られてきた。

しかし氷河期夫婦が運気好転したのはまったくの「運」=「タイミング」であり、努力神話はウソだと確信している。

そして悪運が無限ループになりやすいのと同じく、幸運もループのように次の幸運を設定していくのだった。

【17】ホワイト企業で復活したゾンビ社員

努力よりもタイミング

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氷河期世代の人間は親世代から「努力しろ」と言われて育ったケースが多い。

世代内の競争も激しかったから、努力の中でも厳しい努力を強いられた。

ふたを開けてみれば世の中に出たのは、バブル崩壊

すでに社会にいた人間は「保身」のために氷河期世代を締め出し、「非正規」という枠を作り出し奴隷としてこき使った。

「正社員」なら勝ち組かというとそうでもなくて、いわゆる「ブラック正社員」という「非正規」に負けず劣らずの地獄を見た者が多い。

氷河期夫がブラック企業から転職した先はホワイト企業だったが、もともとそうだったわけではない。

前に書いたように「高橋まつりさん」の事件の後、ブラックを改革すべくテコ入れが入ったタイミングだったのだ。

 

ゾンビが人間に戻るとき

氷河期妻はそれまでの生活でほぼ「ゾンビ化」した状態の夫しか見ていなかった。

だから新しい職場でどんどん「人間化」してゆく様子を半分おもしろがっていた。

でも残りの半分は正直、目を疑った。

ゾンビ化した状態の者には「喜怒哀楽」の感情がない。

だから、氷河期夫の顔は表情に乏しかった。

それは低スペックのロボットが高度化してだんだんと表情豊かになっていくプロセスを思わせた。

ホワイト企業への転職後、氷河期夫には「欲しいモノ」がひとつできた。

それまでのゾンビ状態においては、欲しいモノなどという前向きな感情はなかったのだ。

氷河期夫はちょっと高めの腕時計を買うことにした。

高めといってもピンからキリまであるが、販売価格20万円程度の時計だ。

それは氷河期夫が、氷河期世代として歩んできた人生の中で初めて買った唯一の高級品だった。

その時買った時計はそれから数年経って2~3割も価格が上昇したので、良い買い物ではあった。

転職先にはパワハラ役員もセクハラ上司もいなかった。

そこで氷河期夫はやっぱり人生で初めて、のびのびと変な気をつかうことなく働くことができるようになった。

人権が守られて、普通に発言することができる。

またサービス残業もなく、超過勤務分は時間外手当が支払われる。

当たり前のこと当たり前ではなかったのが、それまでのブラック企業だった。

そして今もなおそのような殺人的なブラック企業は存在する。

 

【第17話まとめ】

高橋まつりさんの犠牲によって改革されたホワイト企業で、それまでゾンビ化していた氷河期夫は人間らしい喜怒哀楽を取り戻していった。

【16】人生初の都心暮らし

住む場所と年収の関係

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氷河期夫婦が結婚してから住んでいたのは、郊外の人気のない路線の街だった。

元々畑の広がる田舎だったところに新線が開通して駅ができたため、ぼちぼち住宅が広がっていったような場所だった。

その街に10年以上暮らしていた。

それほど好きな街でもなかったが、追突事故に遭うまでは取り立てて不満もなかった。

追突事故の加害者であるトラック運転手が近所に住んでいることがきっかけで自宅を売却した氷河期夫婦。

引越し先は大都会、東京23区内の山手線の内側エリアだった。

賃貸物件の一か月の家賃は、売却したマンションの月々のローンやその他費用を含めた金額の「倍」近かった。

それでも氷河期夫婦は「高い家賃」の賃貸物件にあえて住んでみることにした。

その理由は、

「家賃の高い家に住むと収入も増える」

という説を確かめたかったからだ。

よくお笑い芸人がその「ジンクス」を実践しているが、実際には学術的にも証明されていることだと以前、本で読んだことがあった。

そしてそれは本当だった。

 

初めての都心暮らし

氷河期夫婦はそれまで仕事では都心に出ていた。

しかし生活するのは初めてだった。

想定外に自宅が高く売れたのもあって、氷河期夫婦にしては「奮発」した家賃の賃貸物件に住んだのはあくまでも「仮住まい」のつもりだった。

とにかく今までに染み付いた運の悪い「考え方」をすべて捨て去る意志を持っていた。

住環境が変わるというのは「考え方」を変えるうえでは大きな影響力がある。

映画館やコンサートホールに徒歩で行く。

そんな経験も、周辺に何もない郊外の暮らしでは考えられないものだった。

「仮住まい」だからこそ、

今までとはガラッと違うことを体験して「意識を変えたい」

と思った。

 

期間限定の仮住まい

次の住まいをどうするか、賃貸に住みながら検討することになった。

氷河期夫婦はもともと「持ち家派」というわけでもなかった。

しかし、東京はいつまでも賃貸暮らしをするには家賃が高すぎる。

だから賃貸契約の期間である2年間で「次どうするか」を決めるつもりだった。

賃貸契約が切れるのは2020年の夏だったから、それまでに住まい探しをすればいいだろう。

こうして「たまたま」の流れで次の住まいを探す時期が決まった。

 

【第16話まとめ】

自宅を売却したあとで氷河期夫婦が「初めて」住んだのは「都心」の賃貸物件だった。高い家賃だったが、不思議と収入も増えていった。

【15】氷河期夫婦、七福神に出会う

七福神」がいる街

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氷河期妻は社会に出てからというもの、怒っていることが多かった。

氷河期夫のほうはブラック企業で早くから「ゾンビ化」していたので、怒ることはそんなになかったが、ゾンビとして人間らしい喜怒哀楽を失っていた。

夫婦喧嘩はあまりしなかったが、かといって

「幸福か?」

と問われれば

「ケンカしているよりはマシ」

という気分だった。

しかし信じられないような運気好転が続くうち、氷河期妻が怒ることはほとんどなくなり、いつしか七福神のイメージを脳裏に描くようになっていた。

そして、そのうちの「おじさん」の神様のひとりは、あの追突事故の加害者〇〇〇の顔なのだった。

そんな氷河期夫婦は、導かれるようにして引っ越してきた街には「七福神」がいた。

何かの「比喩」ではない。

本物の「七福神」だ。

 

七福神」のご利益は?

東京23区内には、七福神巡り」ができる街が十数以上もある。

氷河期夫婦の引越し先はそのうちのひとつだった。

ちょうど氷河期夫の転職先が決まった頃から、ひんぱんに「七福神巡り」をするようになった。

そんなある日近所で「真っ白な子猫」に出会った。

七福神」のひとりの神様が祀られているある神社で生まれた猫らしかった。

だから近所には、

「あの猫は〇〇神社の神様の化身なのだ」

と冗談とも本気ともつかない口調で言いまわっている老人もいた。

その地域には猫がたくさんいた。

野良猫ではあったが、動物ボランティアの活動が盛んなのもあって、捕獲、去勢、リリースをするTNRが行われた地域猫になっていた。

氷河期夫婦は神様の化身かもしれないこの「真っ白な子猫」と関わりを持つようになった。

運気好転の追い風はいっそう強まっていった。

氷河期夫の年収は、内定時の想定年収よりもずっと多くなっていった。

同時に、ゾンビ化していた前の職場では考えられなかったように意欲的に仕事に取組むようになった。

そして次々と責任あるプロジェクトに携わるようになった。

転職先の会社は、引っ越してきた街からは電車1本で行くことができた。

売却した以前の住まいからだと不便すぎて通うのが大変な場所だ。

こうして不思議なほど歯車がかみ合うようになったのは「七福神」のご利益以外には考えられなかった。

 

【第15話まとめ】

氷河期夫婦が導かれるように引っ越してきた街には「七福神」が鎮座していた。そのご利益によって氷河期夫婦はいっそう運気好転していった。

 

 

【14】無理して買ったマンション

ブラック正社員唯一の「利点」

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2人きりになるチャンスを画策しては若手男性社員の「股間」を狙うセクハラ上司。

自分が追い詰めた部下が自殺したことを「自慢」するパワハラ部長(この人は大手出版社Kからの「天下り」)。

氷河期夫が辞めた「ク〇会社」には何の利点もなかった。

労基署に告発されるまでサービス残業で回していた中小企業のくせに、退職金だけは大企業並みだったのも、天下り役員に便宜を図るための規定だった。

何もかも「団塊世代」のク〇のせいで、割を食った「氷河期世代」。

ただそんな「ク〇会社」でもひとつだけ利点があった。

それは「住宅ローン」が組めるということだ。

 

無理して買ったマンション

「住宅ローン」には「住宅ローン控除」という税制上の優遇措置がある。

そして住宅ローンは「正社員」でないと組むのがたいへんだ。

日本というのは「正社員」という「身分」が優遇される身分制度がある国なのだ。

だから低賃金のブラック企業社員でも我慢して勤務しているうちに、この「身分」を生かして「住宅ローン」を組むことができる。

氷河期夫の場合、新卒から1年半で住宅ローン審査に通ることができた。

といっても薄給だから借入れられる金額もそこそこだ。

それでも2005年頃、氷河期夫婦は住宅ローンを組んで小さなマンションを購入した。

当時「ハケン」だった氷河期妻が、引越しで休暇を取ることを派遣先の上長に伝えた時、

「へえ、家買ったの?大したもんだな」

とバカにした口調で、薄笑いされた。

 

「賃貸派」VS「持ち家派」

当時も今も「家買うなんてバカバカしい」という「賃貸派」はいる。

氷河期夫婦は別に「持ち家派」というわけでもなかった。

しかしブラック企業には手厚い「住宅手当」もなかったから、賃貸の家賃を払い続けるよりは「持ち家」の方が金銭的に得だった。

ただ、物件選びには一つだけこだわりがあり、それは「駅近物件」だ。

そして実際に人気路線ではないものの、駅徒歩3分の小さなマンションを購入した。

親からの援助もなく「頭金ゼロ」でローンを組み、何とか初期費用を払った。

その後デフレが進行した時期には、評価額はかなり下がった。

それが十年以上経って追突事故に遭い、売却した時には価格は上がっていた。

なけなしの金を叩いて買ったマンションはある意味「打ち出の小づち」だった。

 

【14話まとめ】

ブラック企業正社員」の唯一の利点は住宅ローンが組めることだった。

 

 

【13】氷河期夫、ホワイト企業に転職

1か月半で決まった転職

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転職を決意したとたん勤務先から「未払い残業代」がまとめて支払われるという予想外の出来事はあったものの、氷河期夫の転職の意志は揺らがなかった。

新卒で入社して以来ずっとブラック企業に勤めていた氷河期夫にとって、転職活動は初めての経験だった。

慣れない転職活動でストレスや焦りを感じた。

でも売却した郊外のマンションから都心の賃貸に引越したことで、氷河期夫の意識は完全に変化していた。

活動中、面接をした会社の中には「ブラック企業」も多かった。

でも運よくブラック企業をくぐり抜けて決まったのは、今までより良い条件の大企業だった。

そして見た目の年収よりも良かったことは、入社後に分かったことだったが転職先がホワイト企業だったことだった。

その業界は昔からブラックで有名だった。

でもちょうどその頃大きな「ホワイト化」の動きがあった。

誰あろうあの「高橋まつりさん」のおかげだった。

この事件があっても変わらなかった企業もある。

でもこれまでのやり方を猛省し改革を実施した企業も多かったのだ。

氷河期夫が転職したのはタイミングよく「ホワイト化」改革が定着した時期だった。

だから氷河期夫婦はいつも高橋まつりさんに感謝の念を忘れたことはない。

 

「臨時収入」の桁が変わる

それまでブラック企業で「ゾンビ化」して生きていた氷河期夫にとって、突如何もかも状況が一変した。

未払い残業代の一括支払いを受けた後も、次々と「臨時収入」が転がり込んできた。

消化しきれない有給休暇の買取分退職金だった。

おかしなことに、勤務先はブラック中小企業のくせに正社員の退職金は手厚かった。

なぜなら、元々大株主である大企業の「関連会社」として、大企業で一番上まで行けなかった連中の「天下り先」として創られた会社だったからだ。

大企業内でトップまで行けなかった連中の「ムジナ」なのでパワハラ・セクハラ満載のルーズな会社だったのだ。

そんな理由で、氷河期夫のような勤続十数年程度での退職でもちょっとした大企業並みの退職金が支払われた。

運気好転による最初の「臨時収入」はせいぜい数万円~6桁の金額の累積だった。

しかし、この頃になると続々とそれ以上の「臨時収入」が懐に入ってきた。

 

【13話まとめ】

東向きの部屋に引越して転職を決意した氷河期夫。2か月も経たないうちにホワイト企業への転職が決まった頃には「臨時収入」の桁が変わってきた。