【2】もらい事故の加害者が「福の神」?
ゴネ始めた追突事故の加害者
↑前回の話はこちら
不運続きの氷河期世代として「運が悪い」出来事に対する耐性は高い方だと思っていた。
でも現場検証が終わって、「補償」の話になるや否や「加害者」が豹変したのにはさすがに心が折れた。
「オレが追突したんじゃない!そっちが無理やり前に入ってきたんだ!」
とトラック運転手が主張し始めたのだ。
それまで、追突事故では追突した方に全面的に非があると思っていた。
だから過失を巡ってトラブルになることは想像していなかった。
ゴネる側の気持ちは分からないが「失うモノは何もない」状態だから開き直ったのだろう。
「福の神」だった?「疫病神」
手のひらを返した加害者はまさに「疫病神」以外の何物でもなかった。
だがしかし!
彼は「○○○」という漢字3文字の名字だったが、この事故から3年後、我が家では「○○○のおかげ」と称えられる存在になるのだ...
補償を少しでも免れたいと難癖を付け始めたことが、その後の氷河期夫婦の運命を変えることになる。
あの時、彼がさっさと過失を認めて補償がスムーズに進んでいたら、その後の怒涛の展開はなかったに違いない。
だから「疫病神」として氷河期夫婦の前に現れた「○○○」は実は「福の神」だったのかもしれない...
3つの「不運」が揃うと...
とはいえ当時の氷河期夫婦は「怒り心頭」だった。
「○○○」を呪い、自分たちの不運を嘆いた。
氷河期世代で不運には慣れっことはいえ、やっぱり心は折れていた...
そしてこんなにも自体が紛糾したのには2つの「落ち度」があった。
ひとつ目はドライブレコーダーの不備で録画が撮れていなかったこと。
もうひとつは、自動車保険の「弁護士特約」を付けていなかったことだった。
さて、ここまでの経緯で気づいたことがある。
それは3つの「不運」が揃ったことだ。
①加害者が手のひらを返してゴネ始める
②ドライブレコーダーの録画がない
③「弁護士特約」に入っていない
そもそも相手が「ゴネ」なければ、交渉が紛糾することはなかった。
でも「ゴネ」ても「ドライブレコーダー」か「弁護士特約」のどちらかひとつでもあれば、まだましだった気がする。
でも悪条件が3つ揃ったことで、円満解決への道は絶たれた...
【第2話まとめ】
追突事故の加害者がゴネ始め、圧倒的に不利な状況の中で「不運」を噛みしめる氷河期夫婦。しかしこの時出会った「疫病神」は3年後には「福の神」と呼ばれることになる。